会長挨拶

第76回日本皮膚科学会西部支部学術大会
会長 久保 宜明(徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野)

この度、私ども徳島大学皮膚科学教室が第76回日本皮膚科学会西部支部学術大会を2024年9月7、8日に徳島市あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)において開催いただくこととなりました。徳島で開催させていただくのは、2000年の第52回大会以来24年ぶりになります。

令和3年度に文化功労者顕彰されました世界的にご高名な中村祐輔先生(医薬基盤・健康・栄養研究所 理事長)が徳島にお越しいただき、「ゲノム情報に基づくプレシジョン医療」につきましてご講演いただけることになりました。約30年前に私が国内留学し研究を学び始めた癌研究所において、生化学部部長としてすでに雲の上の存在であられた中村祐輔先生に皮膚科学の学会でご講演いただけることを大変ありがたく思います。

大会のテーマは「皮膚科学の潮流」といたしました。徳島県北部の鳴門の渦潮は有名ですが、実際は綺麗な渦とは限らず、大小さまざまな勢いのある潮流が混在している状況です。昨今の皮膚科領域での新薬発売ラッシュを伴う治療法の目覚ましい進歩とイメージが重なります。最新の数々の知見に加えて、過去から現在、そして未来へとつながる皮膚科学の潮流も学ぶことができる良い機会になればと考えています。

特別講演では、免疫、がん、感染症分野のスペシャリストの先生方にご講演いただきます。皮膚科学の教育講演・共通講習として、紅斑症、膠原病、皮膚病理、医療安全についてお話いただく予定です。シンポジウムでは、タイプ2炎症関連疾患、自己免疫性水疱症、皮膚悪性腫瘍治療の最前線に加えて、西部支部の比較的若い先生方に行っている研究内容をご発表いただき、西部研究の潮流をご披露いただこうと考えています。専門医志向に傾きがちな若手皮膚科医のリサーチマインドを育むことにつながることを期待しています。

徳島市は、四国一の大河の吉野川をはじめ大小の川が縦横に流れ、中央に位置する眉山が象徴的な所です。連日開催されるお盆の阿波踊りの余韻が残っている時期ですので、実際に阿波踊りも体感いただければと思います。徳島ラーメン、たらいうどんをはじめ、海・山・川の幸も豊富ですので、ぜひご賞味ください。

徳島大学皮膚科学教室関係者一同、心のこもったおもてなしができるよう準備して参りますので、多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。